コラム
近年、参列者を限定して執り行う「家族葬」を選ぶ方が増えています。
家族葬で「香典は必要なのか」「辞退と書かれていても渡すべきか」といった香典に関する疑問や、不安を抱える人も少なくありません。
家族葬での香典のマナーは、一般葬と異なる対応が求められる場合もあります。
本記事では、家族葬における香典のマナー全般から相場まで解説します。
親族や参列者とのトラブルを避け、落ち着いた気持ちで故人を見送るために、ぜひ参考にしてください。
家族葬は、ご家族や近親者のみで執り行う少人数の葬儀形式です。
香典の有無はご家族の意向次第であり、地域の慣習や親族関係にも左右されます。
ここでは、以下2つの場合での香典マナーを解説します。
1. 家族葬で香典を受け取る場合
2. 家族葬で香典を辞退する場合
それぞれ見ていきましょう。
香典を受け取る家族葬では、一般葬と同様に参列者から受け取ることで、葬儀費用の一部をまかなえるメリットがあります。
たとえば、以下の場合は香典を受け取る傾向にあります。
● 故人と関係の深い親族が複数参列する
● 香典返しの用意ができている
● 地域柄で香典を持参するのが一般的な場合
香典を受け取る場合は、あらかじめ「香典をお受けします」と案内状や連絡時に伝えるのが一般的です。
なお、香典返しの形式(即日返し・後日配送)を統一しておくと、家族や親族とのトラブルを避けられるでしょう。
近年では、以下の理由から香典辞退の選択をする家族葬も増えています。
● 香典返しの手間や金銭管理の負担を減らしたい
● 参列者に気を使わせたくない(高齢者・遠方の親族など)
● シンプルな葬儀を望んでいる
● 弔問客(会葬者)が少ないため、受け取る意味が薄いと考えている
ただし、香典文化が強い地域では、辞退を伝えていないと香典が届く可能性もあるので、香典辞退の意向は必ず事前に伝えましょう。
「故人の遺志により、香典はご遠慮させていただいております」などと、あらかじめ案内状やメール、口頭などで統一したお伝えがマナーです。
香典辞退の受け止め方には、地域ごとの文化や価値観の違いが影響しています。
関東では、香典は通夜振る舞いなどの返礼に対する意味合いが強いとされています。
家族葬においては通夜後の会食を省略する流れで、香典もあわせて辞退するのが一般的です。
関西では通夜振る舞いの風習が薄く、香典が弔意を表す重要な手段とされており、辞退を伝えても持参される傾向があります。
地域性を考慮して、香典の取り扱いは案内文などで事前に周知しておく配慮が必要です。
香典を渡さない場合でも、故人やご家族への弔意を伝える手段はいくつかあります。
ここでは、香典の代わりとして選ばれる弔意の表し方を紹介します。
1. 供花を贈る
2. 弔電を送る
3. 手紙やお悔やみ状を送る
4. 果物や線香などの供物を贈る
詳しく見ていきましょう。
供花は祭壇や火葬場に飾られる花で、見た目に美しく弔意が伝わりやすい贈り物です。
個人名や法人名で贈れ、立て札には「〇〇より」などと記載されます。
供花を贈る際は、以下に注意しましょう。
● 事前に喪主または葬儀社へ「供花の受け入れ可否」を確認する
● 花の種類は仏式なら白を基調にした菊やユリ、洋花を用意する
● 式場や火葬場など指定された場所へ直接手配する
なお、花の色合いや立て札の書式に地域特有のマナーがあるため、地元の葬儀社に依頼しましょう。
弔電は遠方で参列できない場合や、香典辞退の葬儀でよく用いられる弔意表現の1つです。
故人との思い出やお悔やみの気持ちを短い言葉で伝えられるため、形式的ながらも心のこもった手段となるでしょう。
郵送やインターネット、電話などで申し込みが可能で、式場や喪主宛に直接送れます。
また、弔電には台紙のデザインが複数あります。
シンプルな白無地や和紙調・押し花入りなどを選べるので、故人との関係性や式の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。
香典を渡さない分、心を込めた手紙やお悔やみ状は、気持ちを丁寧に伝えられます。
形式的な弔電とは異なり、より個人的で温かみのある弔意の表し方として、ご家族の心にも残りやすいでしょう。
手紙やお悔み状を送る際には、以下の注意が必要です。
● 白無地の封筒・便箋を使用する
● 黒や青のインクで丁寧に書く
● 忌み言葉は避ける
「〇〇様のご冥福を心よりお祈りいたします」の言葉を添える際は、仏教以外の場合は適さないケースもあるため、配慮しましょう。
香典を辞退された家族葬では、金品の代わりに「供物(くもつ)」を贈って弔意を表す方法もあります。
果物の詰め合わせや線香・ロウソクのセットなどが一般的で、地域によってはお菓子や乾物も選ばれます。
ただし、家族葬で供物を受け付けていない場合もあるため、必ず事前に喪主や葬儀社へ「供物の受け入れ可否」を確認しましょう。
家族葬での香典には、相手との関係性や地域によって金額の違いがあるため、相場把握も大切です。
ここでは、以下2つのケースにおける香典金額の目安を紹介します。
1. 一般参列者の香典金額の目安
2. 親族の香典金額の目安
それぞれ詳しく見ていきます。
家族葬における一般参列者の香典金額は、3,000円~1万円円程度が目安とされています。
金額の差は、故人やご家族との関係の深さや地域性によって異なります。
関係性 | 香典の相場 |
知人・近隣住民 | 3,000~5,000円 |
友人・職場関係者 | 5,000~1万円 |
家族葬では参列者を限定しているので、金額よりも気持ちが重視される傾向にあります。
無理のない範囲で、心を込めて包むことが大切です。
親族が包む香典の相場は、1万円~10万円程度が一般的です。
以下のように、近しい関係であるほど金額が高い傾向があります。
関係性 | 香典の相場 |
両親 | 5万円~10万円 |
祖父母 | 1万円~5万円 |
兄弟姉妹 | 3万円~5万円 |
おじ・おば | 1万円~3万円 |
いとこ・そのほかの親戚 | 5,000~1万円 |
ただし、家族葬の場合、親族内で香典を控えるケースもあります。
家族葬においても、香典の取り扱いに配慮が必要です。
ここでは、香典に関する3つの基本的なマナーを紹介します。
1. 家族葬にふさわしい香典袋の選び方
2. 香典袋に書く表書きと中袋の書き方
3. 香典袋へ正しいお札の入れ方
詳しく見ていきます。
香典袋は、包む金額や地域、宗教によってふさわしいものを選ぶ必要があります。
具体的な香典袋の種類は、以下のとおりです。
種類 | 選ぶポイント |
白黒の水引(結び切り) | 仏式葬儀で一般的で家族葬でもよく使われる
|
黄色の水引 | 大阪や京都を中心とした関西地方でよく用いられる |
銀色の水引 | 高額(5万円以上)の香典を包む際に使用される |
白無地封筒 | 無宗教葬や香典辞退を前提とした場面で使われる |
なお、家族葬では白無地封筒を希望する場合もあるので、事前にご家族の意向(宗教・宗派・辞退の有無)を確認したうえで選びましょう。
香典袋の表書きは、以下のように宗教や宗派に応じて使い分けます。
宗教の種類 | 表書き |
仏式 | 「御香典」「御仏前」「御霊前」など |
神道 | 「御玉串料」「御神前」 |
キリスト教 | 「御花料」「献花料」 |
家族葬の場合は宗派が限定される場合もあるため、案内状や葬儀社からの説明に合わせて選びましょう。
また、香典袋の中袋(中包み)には、以下のように記入します。
● 表面:金額(例:金壱萬円)
● 裏面:住所・氏名(郵便番号を含めて記載するのが丁寧)
香典袋に記入する際は、ボールペンではなく筆ペンや薄墨の使用が正式です。
香典に入れるお札は「新札を避ける」のが基本マナーです。
新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから入れるとよいでしょう。
香典袋の中にある中袋(中包み)にお札を入れる際は、以下の注意が必要です。
● お札の表側(人物のある面)を中袋の裏側に向ける
● 人物の顔が袋の下側にくるようにする(=顔が下向き)
お札の向きには「悲しみ事に正面を向けない」といった意味があり、控えめな気持ちや謙譲の心を表すとされています。
家族葬では、香典の渡し方は喪主の意向や地域の慣習によっても異なるため、事前の確認と配慮が必要です。
ここでは、家族葬で香典を渡す方法を状況別に解説します。
1. 家族葬に参列する場合
2. 家族葬に参列できない場合
3. 葬儀終了後に香典を渡す場合
それぞれ見ていきましょう。
家族葬で受付が設けられている場合は、ほかの葬儀と同様に受付で香典を渡し、記帳するのが基本です。
香典袋はあらかじめ準備しておき、渡す際には「このたびはご愁傷様です」などの一言を添えると丁寧です。
一方、香典辞退の案内がない場合は、喪主やご家族に直接渡しましょう。
無理に差し出すのではなく、「ご迷惑でなければお受け取りください」といった控えめで配慮ある言葉を添えることが大切です。
家族葬に参列できない場合でも、香典を郵送で届けることが可能です。
現金書留で香典袋(不祝儀袋)を包み、簡単な挨拶状を添えるのが丁寧な対応とされます。
ただし、香典辞退の案内がある場合は、送付は控えましょう。
香典を郵送するか迷った場合は、葬儀社や案内状に記載された連絡先に相談するのが無難です。
日を置いてから香典を渡す場合は、直接訪問して手渡す場合もあります。
事前に訪問の可否と日時を連絡し、短時間の訪問で香典を手渡すのがマナーです。
服装は平服で構いませんが、落ち着いた色味を選びましょう。
渡す際は「ご葬儀にうかがえず申し訳ありません。心ばかりですが…」といった一言を添えて丁寧に手渡します。
ご家族の負担になる長居は避け、香典だけ渡して早めの辞去が配慮ある対応です。
家族葬では香典を親族のどの範囲まで渡すべきかは、判断が難しいポイントです。
ここでは、家族葬で香典を渡す親族の範囲を解説します。
1. 家族葬で香典は「親等」を目安に考える
2. 親族間でも香典を控えるケースがある
それぞれ詳しく見ていきます。
香典を渡す範囲の判断は、親等を基準にするのが一般的です。
親等とは故人との血縁の距離を表す単位で、血縁関係が近い親族ほど香典を渡す傾向があります。
● 1親等(子・親・配偶者):香典を包むのが通例になる
● 2親等(兄弟姉妹・祖父母・孫):関係性が深ければ香典を渡す
● 3親等以降(おじ・おば・いとこなど):状況や家族の意向により判断が分かれる
あくまで「目安」であり、故人との交流の深さや、ご家族との付き合いの度合いも加味して考えるのがマナーです。
家族葬では、親族間でも以下の理由により香典を控えるケースがあります。
● 香典返しや帳簿管理など、ご家族の手間を減らしたい
● 家族葬の趣旨に沿い、金銭的な付き合いを避けたい
● 故人の遺志で「香典は受け取らない」と決めていた
喪主やご家族から事前に香典辞退の案内がある場合は、たとえ親族であっても無理に香典を持参するのは避けたほうがよいでしょう。
家族葬では参列者を限った葬儀だからこそ、香典の適切な対応に悩む方も少なくありません。
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