大好きな歌と、飾らない親子の絆。「ここにいるだけで良い」と微笑む母を、馴染みのメロディーで送る家族葬
不意に訪れた大切なご家族との最期のお別れ。家族葬ホールおくりみにて執り行われた浄土宗の形式による家族葬には、故人様のご兄弟をはじめ、ごく近しいお身内9名様が集まりました。朝早い開式ではありましたが、お一人おひとりが故人様との思い出を胸に抱き、静かで温かな情愛が満ち溢れるお見送りとなりました。
お客様からは、「きれいな式場で居心地も良く、ここにして良かったです。母も喜んでくれていると思います」という、ホールの空間と故人様を想うお気持ちが真っ直ぐに伝わる、大変ありがたいお言葉を頂戴しております。

お式の中で特に印象深かったのは、ご家族が納棺品として大切にお持ちになった「美空ひばり」の歌詞カードです。故人様が生前いかにその歌を愛し、人生の傍らに置いてこられたかが伝わってまいりました。そこで私共スタッフは、お別れの最も大切な瞬間に、名曲『川の流れのように』を式室の背景音楽として流させていただきました。慣れ親しんだ美しいメロディーが流れるなか、ご家族は歌詞カードをそっとお棺に納め、まるでお母様が歌に包まれて穏やかに旅立たれるかのような、優しく感動的なひと時を創り出すことができました。

また、故人様とご遺族の深い信頼関係を感じさせる、心温まるエピソードもありました。お通夜から一晩中、故人様の傍らに付き添って夜を明かされた長男様。翌朝、一度ご自宅へ戻られた際、うっかり忘れ物をされてしまい、身支度が完璧に整わないまま式場へ戻られるというハプニングがありました。しかし長男様は、「お母さんならそんなこと気にしない。自分がここにいるだけで良いと言ってくれるよ」と、カラッとした笑顔でおっしゃいました。形式的な正しさよりも、ただ傍にいることそのものを喜んでくれる――そんな親子の揺るぎない絆の強さと温かさに、私共スタッフも深く心を打たれました。

担当として最も意識したのは、大切な方を亡くされ、多くの決定事項を前に戸惑っていらっしゃった喪主様への寄り添いです。悲しみのなかで物事を決めきることが難しいご様子を察し、決して進行を急かすことなく、喪主様のペースに合わせてご意向を丁寧にお聞きすることを徹底いたしました。ご家族が本当に望まれる形を一緒に手探りで見つけ出し、納得のいくお見送りを支えられたことは、プロとして大きな意義を感じております。

























